脳梗塞・脳出血の症状

著者:info@astro-jpn.com

脳梗塞・脳出血の症状

脳梗塞・脳出血の症状-片麻痺-


脳卒中の代表的な症状は「 片麻痺 」
一番わかりやすいのは筋力が弱くなることですが、その他にも感覚や認知機能に関する症状が現れるのです。

なぜ片麻痺と呼ぶのでしょうか?
それを知るにはまず、脳から出た神経線維がどのように脊髄に降りて、筋肉に指令を出しているかということから理解しましょう。

手を動かそうとするとき、
大脳の表層(上の方)から出た電気信号は神経線維をたどって下行して脊髄に入り、脊髄のとある細胞に電気信号を送ります。その細胞は筋肉と連絡しており、筋肉に信号を伝えることで手の筋肉が収縮して関節を動かすのです。

右側の脳から出た神経線維は、脊髄の一つ上位の部分(延髄)で、左側に移って左半身の筋肉を支配します。
一方で、左側の脳から出た神経線維は、脊髄の一つ上位の部分(延髄)で、右側に移って右半身の筋肉を支配します。
つまり、右の脳は左半身の運動や感覚に関与し、左の脳は右半身の運動や感覚に関与しているということになります。(図の黄色➡が神経の交差を意味しています)このように左右の脳が機能的に分離していることで生じる片側の症状を片麻痺と呼んでいるのです。

皮質脊髄路

(上図:https://www.kango-roo.com/sn/k/view/2161より転載)

 

 脳梗塞・脳出血の症状-いびき-


脳卒中を起こすと、いびきが生じることがあります。
これは、脳が損傷を受けることで意識レベルが下がって、喉の筋肉が緩み、舌が喉の奥に落ち込んでしまうために気道が圧迫され、いびきとして症状が現れているのです。
普段いびきをかかない人が突然かきはじめた、異常なほど激しいびきをかきはじめたときは、脳卒中などの深刻な問題が隠れているかもしれません。

〈 いびきがあるとき 〉
◆とりあえず声をかけ、軽く叩いて、或いは軽くゆすって起こしてみましょう。
もし普通に目を覚ませば、睡眠のいびきだったことがわかります。
まったく反応がない場合は脳卒中が疑われますので、すぐに救急車を呼びましょう。

 

脳梗塞・脳出血の症状-頭痛-


脳卒中の中でも頭痛は脳出血の特徴的な初期症状となっています。

FAST

〈 頭痛があるとき 〉
◆ページ下部にある検査“FAST”をチェックして局所の神経症状がないか確認する。
◆血圧を測定して急激な血圧上昇がないか確認する。
◆髄膜刺激症状がないか確認する。
髄膜刺激症状:頭を水平に左右に降ると頭痛がひどくなる
直立した状態で頭を前屈する抵抗や痛みがあり、顎が胸につかない
一つでもおかしい症状があれば、すぐに病院へ急ぎましょう。

 

脳梗塞・脳出血の症状-めまい-


脳幹や小脳と言われる部位に血液を送っている血管が破裂したり詰まったりすると、めまいが生じます。
ふわふわ、ぐらぐらといった浮遊性のめまいが特徴的です。また、脳が原因の場合は、難聴や耳鳴りは伴わないことがほとんどです。

〈 めまいがあるとき 〉
◆血圧を測定して急激な血圧上昇がないか確認する。
◆頭痛、物が二重に見える、声が出せない、立っていられずふらつくといった症状がないか確認する。

おかしい症状があれば、すぐに病院へ急ぎましょう。

 

脳梗塞・脳出血の症状-しびれ-


脳卒中後の痛みとしびれは、後遺症の中でも最も多い症状です。これは、感覚を伝える神経線維や感覚情報を受け取る脳の領域のどこかに何らかの問題があることを表します。
しびれといっても、
「感覚が鈍くなる」と「ジンジン・ピリピリするような異常感覚がある」に分けられます。
特に異常感覚については、ストレスを感じることが多く、耐え難い症状です。

治療には薬の服用が有効とされますが、実際には、完全にしびれが止まることは難しい場合がほとんどです。
とはいえ、痺れは、脊椎疾患や神経絞扼といった整形外科的疾患、糖尿病などの内科的疾患、血液循環障害といった脳以外の原因でも起こる症状ですので、一度診察を受けてみても良いかもしれません。

整形外科的疾患や血液循環障害の場合は症状の程度に変動があるので、
どんなときにしびれが強まるのか、弱まるのかを知っておくと有効な治療に繋がる場合があります。

 

脳梗塞・脳出血の症状-真の後遺症とは-


まずはっきりとさせておかなければならないことは、「損傷を受けて死んでしまった脳細胞は生き返らない」という事実です。近年、リハビリによる脳の回復の可能性がTVで取り上げられていますが、現在の医療ではこの細胞死の事実は変えられません。

では脳卒中を克服した人はいったい何が治っているのでしょうか?
細胞死の話では、病巣の中心にあるような神経細胞は改善が難しいと言わざるを得ません。しかし、それ以外の神経細胞は一時的に活動が弱くなっているだけで、死滅しているわけではありません。

理解を深めるために下図を参考にして下さい。

上下2段に並んだ△は脳内の神経細胞を示しています。上側の△(一次ニューロン)→下側の△(二次ニューロン)に向かって信号が送られていると想定したとき、一次ニューロンが傷害されると二次ニューロンに信号が送られず、機能していない状態(≒神経細胞は一時的に活動が弱くなっている)となっています。図ではその中でも、機能不全のまま(Lesion)、リハビリをすることで再び接続される(Unmasking、sprouting)、再生医療で新たな細胞が二次ニューロンに信号を送る(Transplantation)と分けています。

neurorehab.

右側3つのように、一時的に活動が弱くなっている神経細胞への連絡を最大限強めることで得られる結果が“麻痺が治る”という状態です。

 

脳梗塞・脳出血の前兆-fast-


脳卒中をより早い段階で見つけるのに「FAST」という良い指標を紹介します。
脳卒中の治療は時間との闘いです。早い対処ほど良好な治療経過をたどります。

もし以下の一つでも発見したら迷わず119番に電話して下さい。
発見者の勇気がその人の未来を大きく変えることに繋がるのです。

Face 顔が非対称 片側の頬が下がっていたり、笑顔などに歪みがある
Arm 両腕を挙げたまま保てない
Speech 呂律が回らず普段通り話せない
Time 発見した時刻を確認してすぐに119番

FAST

他にもこんな症状があります。

頭部:前触れなしに強い頭痛、めまいが生じる

目:一側もしくは両側の目に突然問題が生じる

耳:突然理解ができなくなる

顔面:表情のなさ(表情筋の弱さ)

体幹:脱力、弱さ、麻痺が一側の体幹に生じる

治療までの時間が短いほど脳の損傷を最小限に食い止めることができます。

自分の行動が人を救うという意識をもって、迷わず救急車を呼んで下さい。

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