カテゴリーアーカイブ 脳卒中虎の巻

投稿者:info@astro-jpn.com

結論:やっぱり運動は正義である。

医療機関等で過去に2000人以上の患者様の治療に携わってきて分かったこと、それは身体は運動することで整うということ。

以下に、ご年配のお客様方の言葉をお借りしてご紹介いたします。

「身体が悪いから動かせないではなく、動かさないから動かせないんだよ。」動かせる部位、動かせる範囲、動かせる強度から動いていくことで身体が整う。

「先生に教えてもらったことを、その場だけやって終わり、ではなくて、頑張りかたを教えてもらった上で、自分でできることから進んでやるから良くなってきたんだと思うの。」間違った方法は正してもらって、あとはとにかく数多く動いてみることで運動学習される。

「痛みがあっても、じっとしてても良くならん。動いた方が楽になるねん。初めは少し痛いけどなw。それは多少我慢や。だって自分の身体のことやねんから。」骨折や組織損傷直後のギプス固定(=一定期間身体を動かさない)が関節拘縮や筋力低下などの身体機能制限に加え、身体知覚の異常(例:「自分の手とは思えない」「自分の手に違和感や不快感がある」など、さまざまな形で表現される)を引き起こすことが報告されている。このような異常な身体知覚は、運動の意図と感覚フィードバックの不一致に起因すると考えられている。つまり、狙った動きと実際の動きの感覚がズレている(簡単に言うと運動音痴のような状態)と不快な異常感覚が現れることがある。

「せんせー、言われた通り運動増やそう思って普段から意識してたら、食欲も出てきて最近調子ええねん。それかちょっと太ったw?」体温が1度上がると免疫力が30%アップするらしい。体温が高い人は基礎代謝が大きいというのは一般的に知られるところだが、基礎代謝量に占める各器官・組織の比率は、最も多いのはやはり筋肉でおよそ22%、次いで肝臓が約21%、脳が約20%となっている。つまり、これらの活動を活発にさせることが、基礎代謝・体温・そして免疫を向上させるカギになる。

皆さんはどう思うでしょうか?

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新型コロナウイルス感染予防のための対応

当事業所で、現在実施している5つの感染対策

 

①移動は、都内バス・電車・徒歩を利用

※東京都知事からの自粛要請に伴い、高速バスや新幹線を利用した大阪への出張は自粛しております。

大阪のお客様には大変ご迷惑をおかけします。ご理解ご協力を頂きありがとうございます。

 

②体温測定

訪問当日、トレーナーとお客様に義務づけています。

37.5度以上の発熱や体調不良が認められる場合は、ご利用を控えて頂く場合があります。

また同居される御家族の方にも同様の症状がみられた場合は、事前にご連絡を下さい。

 

③消毒薬散布

訪問前に玄関口にてトレーナーの全身に散布致します。

 

④手指消毒

手指消毒或いは、ご自宅の洗面所で手洗いをさせて下さい。

 

⑤マスクの装着

トレーナーは必須。お客様は任意と致します。

 

その他

トレーナーは、十分な換気のない飲食店の利用は自粛しています。

家屋中と家屋外の区別

外で上着着用、訪問宅で脱衣

 

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医師も薦める保険外リハビリ

介護保険制度は心強い

自分の老後や家族を介護することになったときに支援が受けられる心強い存在です。

介護保険制度における介護給付サービスは、

地域の人が安心して現状の生活を続けていけるように様々なサービスが整備されています。

「維持期 介護保険」の画像検索結果

近年は、デイサービスといった通所サービスや訪問看護ステーションが急増し、

生活者の身近な存在になってきている事と思います。

このようなサービスのお蔭で介護者の負担は半減とまではいかないまでも、

相当楽になっていることは確かです。

一方、介護を受ける側の人にとってはどうでしょうか?

介護を受けている人は、果たして介護サービスの充実を望んでいるのでしょうか?

恐らく多くの方は介護が必要でない状態に戻りたいというのが本心ではないでしょうか。

それを解決するのに有効なのが、リハビリテーション(以下、リハビリ)というサービスです。

 

では引き続き、介護保険内で実施されているリハビリの現状について説明していきます。

介護保険制度におけるリハビリの現状

残念ながら、介護保険内のリハビリサービスは残念ながら十分とは言えません。

グラフは介護保険給付費実態調査に対して介護事業所が提出したアンケート結果です。

全体の8割以上の事業者が、要介護状態の利用者を自立した社会参加ができる状態へと導けていないということがわかっています。

このような結果を受けて、国は介護報酬を下げるという対応をとっているわけです。

政府は、高齢化社会への対応に苦戦しているため、

国民の要介護度を改善し、社会保障負担を下げたいと考えています。

政府の方針に一致するなら補助が出るし、反するなら補助が出ない。

つまり、効果のないところにお金は出さないということです。

私は、病院や介護施設、訪問看護ステーションで働いてきた経験があります。

擁護するつもりはありませんが、時間制限やマンパワーの問題を考慮すると質の担保が難しいのはある意味仕方ない部分も確かにあるのです。

 

現場の声からも、身体の能力改善の面では満足感は十分でないことが伺えます。

また、医療機関、介護保険内サービス、就労支援サービスは、

元来途切れなく繋がっており、要介護状態から自立状態へとスムーズに支援していけるよう仕組み化されていましたが、このシステムも老朽化し現状に耐え切れないでいると言えます。例えば、入院期間の短縮、マンパワー不足によるサービス提供量の不足が挙げられます。

そういった現状に対して、介護保険外サービスが注目され始めています。

特に介護保険外のリハビリサービスは、身体の改善を求める方にとっての心強い新たな選択肢です。

保険外リハビリサービスの具体的なメリットはこのような部分です。

 リハビリの質については、施術の腕一本で経営しているセラピストがほとんどです。

技術は自ずと高まってきますし、

一般化されていないけど結果の出せる独自の方法を持っているサービス提供者ばかりです。

 

結果を追い求めていくうちに、自然とお客様の社会参加を支援できたときの喜びは言葉では表せません。

恐縮ではありますが、一緒に頑張ってきた仲間という気持ちになります。

アストロでは、保険外の訪問リハビリサービスという立場で、お客様のご要望に最大限応えていきたいと思います。

 

保険外リハビリサービスは医師からも注目されている

220人の医師が回答

◆現在の保険制度「社会復帰を目指す脳卒中患者さんのリハビリをカバーできていない」48.2%

◆復職のための実践的なリハビリテーション「不足している」69.5%

◆脳梗塞・脳出血などの後遺症の改善を専門とした保険外リハビリ施設

「存在意義を感じる」72.3%、「主要なリハビリ先の1つとして紹介したい」10.0%、「オプションの1つとして紹介したい」45.9%

脳卒中患者の保険外リハビリに関する医師調査

 

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脳卒中の回復 6カ月の壁なんて気にするな!

 

一般に脳卒中後の回復は、発症から1か月程度はスムーズな回復を示し、その後の回復はやや緩やかになります。

そして発症後3カ月で85%程度の回復が得られるとされ、6カ月の時点で残る障害はほぼ後遺症と考えられています。(=プラトー)

 

プラトー

<意味>自身の能力を高め、更なるスピードで成長していくことが難しい段階。

   学習や作業の進歩が一時的に停滞する状態。

 

このようにプラトーは改善の限界を示す言葉ではありません。

 

ここで分かって頂きたいことは、

「これまでと同じ戦略では同じ結果しかもたらさない」

ということです。

つまり、プラトーは違う方法を試す時期なのだと考えてみるべきです。

 

図の曲線からもお分かり頂けるように、最初の3ヶ月というのは、脳卒中の回復の変化が生じやすい時期とされています。

なぜならこの時期は、

脳の腫れが解け、途絶えていた血行が再開し、脳組織の自然修復がおきる時期だからです。抑え込まれていた機能が再起動することになるので、急激に回復するというわけです。治って当たり前の時期です。

この時期のリハビリはどちらかと言えば悪化させない、過度の安静を避け体力を低下させないことが目的です。

 

そして、およそ発症後3カ月以降の脳の自然修復を終えてからの回復は、傷つかずに残った組織が、失われた機能を補うように神経の連絡路が作り変えられることに依ります。リハビリは特にこの「神経の連絡路の作り変え」を促進するのに効果を発揮すると言われています。

 

脳の回復の可能性が6ヶ月までに留まっていたのは、リハビリの方法論が確立されていないかったことやリハビリサービスが充実していないことも原因の一つだと私は考えます。

 

脳や身体は、トレーニング戦略を変えることでさらなる改善が得られる可能性をもっており、様々にあるすべての障害が一律に改善しないということはないのです。

 

実際、何人もの脳卒中の患者さん達を支援させて頂いている経験から、治るべき人が治しきれずに生活されているという現状は嫌というほど見てきました。それを少しでも何とかするために、私はこの公的介護保険外サービスという分野で闘っています。

またその経験値を後押しするかのように、退院後のいわゆる維持期と言われる時期においても、さらなる回復を望めることは多数の報告から明らかになっています。

 

一つ障壁を挙げるとすれば、退院後も「リハビリを継続すること」があるのかもしれません。

 

地域での理学療法サービスを利用して理学療法を継続することが脳卒中患者の機能回復を増強する、私はそう感じています。

(Holmqvist LW, Von Koch L, Kostulas V, et al: A randomized controlled trial of rehabilitation at home after stoke in southwest Stockholm. Stroke 29: 591-597, 1998)

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身近な人が脳梗塞で倒れた!<病気の基礎知識を解説>

あすとろ
今回のテーマは脳梗塞です(*^^*)

S美
ちょうどよかった!相談があります!

あすとろ
遠慮なく、なんでも聞いて下さい(^^♪

S美
脳梗塞を発症し、救急搬送された場合、病院ではどのような検査が行われるのでしょうか?

あすとろ
わかりました。脳梗塞という病気を基礎から一緒に理解していきましょう!(*^^*)

 

■目次
1. 脳梗塞とは頭の中の血管が詰まること
2. 脳の血管が詰まるとどうなるの?
3. 脳組織が壊死すると何が起こる?
4. どんな脳梗塞が重症化しやすい?どんな脳梗塞が起こり易い??
5. まとめ

 

 

1. 脳梗塞とは頭の中の血管が詰まること

脳血管疾患というのは、血管が破れるか詰まるかのどちらかです。

今回は脳梗塞なので詰まる方。

例えば、脳梗塞が起こる典型的なパターンはこうです。

 

8月の夏真っ盛りの朝、いつも起きてくるはずの夫が起きてこない。

呼び掛けるも反応なく、慌てて救急搬送したところ脳梗塞だったとわかる。

!注意!

寝ている間過ごす寝室は脳梗塞を発症しやすい場所。あと起床後2~3時間も危険な時間帯です。

脳梗塞を発症するのはドロドロ血が大きな原因となるので、「脱水状態」にならないよう注意しなければなりません。寝室を適温に調整し、寝る前後には少なくともコップ一杯の水分を摂るようにしましょう。

 

では、頭の中の血管が詰まるとどうなってしまうのでしょう?

血流がパタッと止まり、その先に血液が流れなくなると、、、

 

①大域症状:詰まった先の細胞と関連のある機能が停止する

②局所症状:血流が途絶えた先の脳細胞が壊死する

 

2. 脳細胞が壊死するとどうなるの?

「運送業」の画像検索結果

  脳の血流は、物流業にとっての道路インフラ(?)のようなものです。

  各地域に物を届けられるよう道路が都市の隅々まで整備され、人々の生活を支えています。

  ここでは道路が血管で、届けられる物が酸素や栄養と喩えられます。

  言い換えると、酸素や栄養を脳細胞に届けるのが脳内の血液の役割なんです。

  

  さっそく、脳血流を物流に置き換えて考えていきましょう。

  もし道路が崩壊して物資が届かなかったら?ここ数年内にあった大震災でも話題になりましたね。

  そうです。当然、生活が成り立たなくなります。

  震災の場合、実際には復興が進んだことで一部は完全に麻痺し、一部は一時的な障害で済んだと言えます。

  

1.一時的に閉塞して脳機能が低下する

   →血圧測定、血液検査、心電図、CT/MRI、MRA、頸動脈エコー

   

2.完全に閉塞して脳組織が壊死する

   →血圧測定、血液検査、心電図、CT/MRI、MRA、頸動脈エコー

   

3. 詰まった先の脳細胞と関連のある機能が停止すると何が起こる?

また物流業における道路インフラが震災で麻痺することをイメージしましょう。

物流立たれてが困るのはそこに生活している人だけでしょうか?

違いますね。遠方にいるその家族、取引をしていた会社などにも一時的に混乱が生じると思います。

  但し、脳梗塞においては混乱は一時的なものです。

大事には至らず、血流が途絶えたエリアだけが障害を残します。

 

 脳出血と脳梗塞の違いはココ!!

 

脳梗塞は血流が立たれた中心部は障害を残しやすいですが、その他の部位は一時的な混乱で済みます。

一方、脳出血は血腫が消失するまで周りの脳を圧迫し続けて組織を傷つけるので、予後が捉えにくい特徴があります。

  だから、どこの血管が詰まったのか知ることは予後を判断する上でも重要なことなのです。

   →CTやMRIという画像検査

   (脳梗塞像、その範囲)

(CT画像)

 

3. どんな脳梗塞が重症化しやすい?どんな脳梗塞が起こり易い??

  脳内限定!脳梗塞の種類別 重症度ランキング 

1.心原性脳梗塞    :心臓でできた大きな血栓が太い脳血管で詰まる

2.アテローム性脳梗塞 :中くらいに太い脳血管が詰まる

3.ラクナ梗塞     :細い脳血管が詰まる

 

  脳内限定!脳梗塞の種類別 頻度ランキング

 

  発症部位別 症状一覧

1内頸動脈閉塞

  (片麻痺、知覚鈍麻、同名半盲、意識障害)

2中大脳動脈

  (片麻痺、知覚鈍麻、同名半盲、意識障害)

3前大脳動脈閉塞

  (片麻痺、下肢知覚障害、筋硬直、不随意運動、記憶障害)

4後大脳動脈閉塞

  (半身の感覚鈍麻、自発痛、不全片麻痺、不随意運動、同名半盲、小脳失調)

5椎骨動脈閉塞

  (ワレンベルグ症候群)

6脳底動脈閉塞

(昏睡、弛緩性四肢麻痺、小脳失調、ホルネル症候群、構音障害、半身の感覚障害)

 

5. まとめ

A.脳梗塞は、脳の血管が詰まることでその先の脳組織が壊死してしまう

B.画像検査や血液検査、エコーなどをして、脳が置かれている状態を把握する

C.血流が途絶えたエリアのみに障害が残るので、予後が把握しやすい

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身近な人が脳出血で倒れた!<病気の基礎知識を解説>

あすとろ
今回は脳出血をテーマに投稿しようを思います(*^^*)

S美
ちょうどよかった!相談があります!

あすとろ
遠慮なく、なんでも聞いて下さい(^^♪

S美
私の従妹が2週間前に脳出血で倒れ救急搬送されました。血の塊を取る手術は無事終わり一安心しています。

S美
手術のあと経過を見るための検査をしてもらっていますが、それぞれが何を意味するのか主治医の先生に聞いても難しくてさっぱりわかりません。脳出血の後、頭の中で何が起こってて、検査で何を見ているのか私にも分かるように教えてもらえませんか?

あすとろ
わかりました。脳出血という病気を基礎から一緒に理解していきましょう!(*^^*)

 

■目次
1. 脳出血とは頭の中の血管が破れること
2. 脳が血液に浸かるとどうなるの?
3. 脳内で出血すると何が起こる?
4. まとめ

 

 

1. 脳出血とは頭の中の血管が破れること

脳血管疾患というのは、血管が破れるか詰まるかのどちらかです。

 

あるあるなのは、こんな場面。

空気が冷え切った冬のある日、風呂に入ろうと脱衣所で服を脱いだ時、血管が音を立てて破れる。

!注意!

温度差の大きくなる風呂場や脱衣所は血圧が激しく変動し、脳出血を発症しやすい場所。

トイレでの息こらえも脳出血が起こしやすいので覚えておきましょう

 

では、頭の中の血管が破れるとどうなってしまうのでしょう?

血管がプツッと破れ、ドクドク血が流れ出てくると、、、

 

①大域症状:脳が血液に浸かる

②局所症状:脳内で出血して組織を傷める

 

2. 脳が血液に浸かるとどうなるの?

  脳は、水に浮かぶ豆腐(!?)のように頭の骨の中に収まっています。

  この水に当たる液体を髄液と呼び、

  ①脳を衝撃から保護する,②頭の中の圧力を調節するなどの役割があります。

  

  脳を豆腐、髄液を水と置き換えて考えていきましょう。

  では、このプールに醤油をかけるところを想像して下さい。

  醤油で水が濁ってきて、塩分が豆腐に浸みると豆腐からは水分が出てきますね。

 

1.髄液内に血液が混ざる

   →髄液検査

   (血性髄液、キサントクロミー、髄液中赤血球増加、髄液蛋白量増加)

2.脳組織が障害を受けると血中に酵素(タンパク質の一種)が出てくる =逸脱酵素

   →血液検査

   (GOT増加、白血球増加)

 

3. 脳内で出血すると何が起こる?

ここでも水に浮かんだ豆腐で考えてみましょう。

  脳内で血管が破れて血がドクドク出てくるということは、こんなイメージです。

豆腐の中に、ケーキの絞り袋を突き刺して注入した状態。

(やったことないけど、、、)豆腐は恐らく割れたり、変形したりするはずです。

 

要するに、異物が中で膨らんでいくことで周りの組織を傷つける訳ですね。

  但し、傷害された部位に応じた症状が現れるので、

  どこの血管が破れたのか知ることは予後を判断する上でも重要なことなのです。

   →CTやMRIという画像検査

   (脳血腫像、脳圧排の程度)

(CT画像)

 

  脳内限定!出血が起こり易い場所ランキング + (主な症状)

1被殻出血

  (意識障害・昏睡、弛緩性麻痺、共同偏視、失語、失行)

2視床出血 

  (片麻痺、視野欠損、深部知覚障害)

3皮質下出血

  (片麻痺、失語、半盲)

4小脳出血

  (嘔吐、めまい、起立・歩行不能)

5橋出血

  (昏睡、四肢麻痺、縮瞳)

 

4. まとめ

A.脳出血は、脳の血管が破れることで血が脳の組織を傷つける

B.髄液検査や血液検査、画像検査などをして、脳が置かれている状態を把握する

C.傷害される場所によって症状や予後は違ってくる

投稿者:info@astro-jpn.com

痙縮は治らないの??

痙縮spastisityって何?

手や足のこわばり

筋肉が素早く引き伸ばされたときに生じる伸張反射が強まることを主体する筋肉が緊張した状態。

平たく言うと、

触れるなどちょっとした刺激でも筋肉が引っ張られたと勘違いして勝手に縮こまってしまう状態。

 

脳卒中を経験した多くの方が、痙縮に悩んでいる

海外の報告では, 脳卒中の35%以上, 重度の頭部外傷の75%の患者が痙縮の症状があると報告されています.

筋肉が過剰に緊張した状態にあると、どんなことが起こるのでしょうか?

・身体が固まって、自由に動かせなくなる。

・足に症状が出ると、歩けなくなる。

・最悪の場合、痛みが出たり、関節そのものが固まってしまうこともある。

 

脅かすようですが、中には深刻な事態になる人もいるのです(>_<)

 

痙縮の原因

大元は脳血管障害が原因です。その症状が悪化する要因について、興味深い論文が出ています。
2005年海外の論文で、「不使用(Disuse)」が痙縮悪化の大きな要因であると報告されました。
 痙縮の発生メカニズム

 

例えば、手に麻痺、こわばりがある方が、麻痺した手を使わずにいると痙縮の症状が一層強まってしまう

ということをこの報告から学ぶことができます。
 
なぜそのようなことが起こるのでしょう?
 
まず脳がダメージを受けると、2つの重大な変化が生じてしまいます。
それが、
A運動麻痺 と B脊髄・筋肉の脱抑制 です。
 
A(動かせないことによる構造的な変化)
運動麻痺によって筋肉・関節を動かしにくくなる。
血流が滞る →こわばる
 
B(神経系の機能的変化)
脊髄・筋肉の抑制コントロールを失うことで、筋肉の収縮反射が過敏になる
筋肉が無意識に縮む →こわばる
 
これらの変化が出たことで、

「動かしにくい」を理由に動かさないでいると、不使用が不使用を生む悪循環に陥ってしまう。

これが痙縮が悪化する理由です。
だから、麻痺した身体をしっかり使っていかなきゃいけないんやって思って下さい。
 
 
<脊髄・筋肉のコントロールを失うとは?>

痙縮のある方の特徴に以下の3つがあります。

・意識して動かそうとすればするほど力が入り筋肉を強ばらせて動かし難くなる

・不慣れで困難な動作であればあるほど筋肉が強ばる

・歩行や階段昇降などの不安定な動作時で特に強く強張る

実は、この3つは脊髄・筋肉のコントロールを失っていることと関係があるんです。

 

病気に関わらず誰でも、心理的に緊張する場面、不安定な場所、重いものを持つとき、あくび、くしゃみ
などによって身体は一時的にこわばるものです。
健常であれば、脳からのコントロールが効いているのでそれほど強く現れません。
しかし、脳出血や脳梗塞を起こすと脊髄や筋肉は過敏に反応するので、関節が曲がったり伸びたりする動きとして目に見えて現れるんです。
 

 

痙縮と拘縮の違い

痙縮と間違えやすい状態として、「拘縮」という状態があります。

拘縮とは?

関節を構成する軟部組織(血管や筋組織、神経組織など)が変化し、可動域制限を起こした状態のこと。

つまり身体を動かさないことで組織が線維化して、関節が固まってしまうことを拘縮と呼んでいます。

 

痙縮と拘縮の見分け方は簡単!

例)肘を曲げる筋肉が痙縮を起こしているとします。

それが痙縮であれば、反対の手の力でゆっくり肘を伸ばせばジワジワと伸びてきます

一方、それが拘縮であれば、同様にゆっくり肘を伸ばしても伸びてきません。

 

痙縮の治療薬

痙縮に対するリハビリテーションはガイドラインで推奨されているものをご紹介致します。

Ⅰ.痙縮の内服薬

片麻痺の痙縮に対して、ダントロレンナトリウム、チザニジン、バクロフェン、ジア
ゼパム、トルペリゾンの処方を考慮することが勧められる(グレードA)。

 

Ⅱ.その他の治療薬、治療法

顕著な痙縮に対しては、バクロフェンの髄注が勧められる(グレードB)。
2. 痙縮による関節可動域制限に対し、フェノール、エチルアルコールによる運動
点あるいは神経ブロック(グレードB)およびボツリヌス療法(保険適応外)(グ
レードA)が勧められる。

(グレードA:行うよう強く勧められる グレードB:行うよう勧められる)

 

※但し、有効だとする報告が数多く上がっているグレードAの方法でも、必ずしも期待する変化を得られるとは限りません。

一定期間試してみて、効果がなければ違う方法を試すという粘り強い姿勢が大切です。

 

痙縮のリハビリテーション

改善に必要なことは「筋肉を動かす 」 こと。
過去は、筋力トレーニングをすることはタブーとされていましたが、常識が変わってきています。
 
痙縮筋をしっかり使う、反復して体重を支えるというトレーニングは、筋のこわばりを増悪させることはなく、むしろ随意運動の回復とともに痙縮の改善が期待できる。
 
大まかにはこの2つで(↑※)に対処します。
 
・意図的な運動 (コントロールに重きを置いた運動)
  ①単一の関節だけで動きのコントロールを学ぶ
  ②他の関節と組み合わせる
  ③重さを付加する
  ◎レベルに合わせてどんどん実際の場面で使っていく。
 例)肘の曲げ伸ばし → 腕を持ち上げた位置での肘の曲げ伸ばし → 錘をつけてor物を持って肘の曲げ伸ばし
 
・阻害要因を減らす
  ①ストレッチ
 無意識に麻痺手足を動かせるようになるまでは、高頻度に行わなくてはなりません。
  ②こわばる場所以外からの影響を最小限にする。
 例) 歩くときのふらつきを改善する。
   足指が踏ん張りやすい状況を整える。(インソールや矯正用品)
   力まないで行える方法をとる。
最後までお読み頂き有難うございました。
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脳梗塞・脳出血の原因-高血圧-

高血圧とは


TVで健康番組を見ていると何かと血圧について触れられることがありますが、血圧って何を見ているかご存知ですしょうか?

「血圧」とは、血液が流れるときに血管にかかる圧力のことを言います。
心臓がぎゅっと収縮して血液を送り出すときの血圧(収縮期血圧)を一般に「上の血圧」と呼びます。 反対に、血液が心臓に戻ってきて、心臓がふくらみ次に送り出す血液をためている間の血圧(拡張期血圧)を一般に「下の血圧」と呼んでいます。

そして、上の血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上、または下の血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上の場合が高血圧とわれる状態です。

高血圧は病気になりやすいからダメと表面的にはわかっていても、「高血圧はなぜいけないか」をきちんと知っている人はどれくらいいらっしゃるでしょう。寧ろ当事者ほど気に留めていないということはありませんか?
実際、「血圧が高くても特に変わったところはなく元気に過ごせているから大丈夫。」と思っている人は多いはずです。

実はこれが落とし穴。「症状がない=危険がない」としばしば誤認されています。
心臓の病気も脳の病気は、つい最近まで元気だったのに…という人でも起こりえますし、その結果には必ず原因があると考えるべきです。
つまり、私たちは密かに忍び寄っている魔の手に気づいていないだけなのです。

 

高血圧と動脈硬化


高血圧で問題となるのは、ずばり「動脈硬化」です。
Arteriosclerosis
(左:健常な血管、中:中等度の動脈硬化、右:高度の動脈硬化)

動脈硬化とは、血管が弾力を失って硬くなる状態を言いますが、年齢が高くなるにつれ、血管の内側に生じたコレステロールなどの脂肪沈着によって血管の内腔が狭くなってしまいます。血液の通り道が狭くなると、そこを血液が通り抜ける際の圧は高くなり高血圧の状態になるのです。例えば、蛇口に繋いだホースの先を指でつまんで細くした時に指で感じる水圧をイメージしてもらうと良いかもしれません。

 

高血圧⇒動脈硬化⇒高血圧


高血圧が長く続くと、血液の圧力に耐えるために動脈の血管壁が厚くなり、血液が流れる内腔は狭くなります。また、血管が傷つくと、コレステロールなどの脂質がたまりやすくなり、さらに内腔を狭めることで高血圧が助長されるという悪循環に入ってしまうのです。

こうした動脈硬化と高血圧の影響で、血管にかかる負担が大きくなるために、血管が破れやすくなったり、詰まりやすくなったりすることがあり、脳卒中の原因となると言われています。

事実、脳出血の発症率が高くなることがわかっています。
脳出血の患者さんの46%は高血圧の治療中に、24%は高血圧で治療をしていなかった人から起こっているとの報告結果もあります(日本神経治療学会より)。

 

ストレス⇒高血圧


一般的に過度なストレスは病気に繋がるといったイメージがありますが、
実態がよく分からない分、なにかとストレスが原因と片付けられてしまっていることって多いと感じます。
それは脳卒中も例外ではありません。
このトピックではストレスがどのように脳卒中と関係があるのかを明確にしましょう。

ブレインナーシングVol.32,No.11,2016にこんな記事がありました。
離婚・死別によって脳卒中のリスクが高くなる!?
婚姻状況が健康に大きな影響を与える要因の1つであることが、一般的にも知られています。脳卒中との関連はこれまで不明でしたが、このたび、婚姻状況の変化と脳卒中発症リスクとの関連についての研究結果が日本から報告されました。この報告によると配偶者と離別・死別した人は、婚姻状況に変化のない既婚者に比べ、男女ともに脳卒中発症リスクが26%高く、とくに出血性脳卒中(脳出血やくも膜下出血)の発症リスクは男性で48%、女性で35%高くなる。 また無職の女性が離別・死別した場合、婚姻状況に変化のない有職女性と比べ、脳卒中になるリスクが3倍近く高くなっていました。さらに子どもとの同居は男女ともに配偶者を失うことによる脳卒中発症リスクを増加させる因子となっていますが、一方で親との同居は、配偶者を失うことによる脳卒中発症リスクを、男性では減少させ、女性では増加させる方向にはたらいていました。このような結果となった理由として、配偶者と離別・死別した際の生活習慣の変化や精神的ストレスの影響が考えられています。

考察で精神的ストレスについて触れられていますが、人がストレスを受けたときの行動を想像すると良いです。
過大なストレスを緩和するのに喫煙や飲酒、偏食をするという行動は一般的によく見られます。
喫煙や飲酒、偏食の習慣が慢性化することで、血圧が上昇するということは明らかになっていることから、ストレス⇒脳卒中という直接的な関係より、ストレス⇒生活上の悪習慣⇒血圧上昇⇒脳卒中という流れがあると考えられます。

 

脳卒中の原因-高血圧-を予防する


脳卒中は脳の血管の病気です。血管に負担のかかることを防ぐことで予防効果が望めます。
特に脳卒中の最大の危険因子である高血圧を予防・治療することは非常に大切だと言われています。
・1日30分以上の有酸素運動
・摂取塩分の制限
日本高血圧学会のガイドラインでは1日当たりの塩分(食塩)摂取量の目標を「6g未満」と設定しています  欧米では摂取量を「3.8g」とするガイドラインが示されているようです。

投稿者:info@astro-jpn.com

脳梗塞・脳出血の症状

脳梗塞・脳出血の症状-片麻痺-


脳卒中の代表的な症状は「 片麻痺 」
一番わかりやすいのは筋力が弱くなることですが、その他にも感覚や認知機能に関する症状が現れるのです。

なぜ片麻痺と呼ぶのでしょうか?
それを知るにはまず、脳から出た神経線維がどのように脊髄に降りて、筋肉に指令を出しているかということから理解しましょう。

手を動かそうとするとき、
大脳の表層(上の方)から出た電気信号は神経線維をたどって下行して脊髄に入り、脊髄のとある細胞に電気信号を送ります。その細胞は筋肉と連絡しており、筋肉に信号を伝えることで手の筋肉が収縮して関節を動かすのです。

右側の脳から出た神経線維は、脊髄の一つ上位の部分(延髄)で、左側に移って左半身の筋肉を支配します。
一方で、左側の脳から出た神経線維は、脊髄の一つ上位の部分(延髄)で、右側に移って右半身の筋肉を支配します。
つまり、右の脳は左半身の運動や感覚に関与し、左の脳は右半身の運動や感覚に関与しているということになります。(図の黄色➡が神経の交差を意味しています)このように左右の脳が機能的に分離していることで生じる片側の症状を片麻痺と呼んでいるのです。

皮質脊髄路

(上図:https://www.kango-roo.com/sn/k/view/2161より転載)

 

 脳梗塞・脳出血の症状-いびき-


脳卒中を起こすと、いびきが生じることがあります。
これは、脳が損傷を受けることで意識レベルが下がって、喉の筋肉が緩み、舌が喉の奥に落ち込んでしまうために気道が圧迫され、いびきとして症状が現れているのです。
普段いびきをかかない人が突然かきはじめた、異常なほど激しいびきをかきはじめたときは、脳卒中などの深刻な問題が隠れているかもしれません。

〈 いびきがあるとき 〉
◆とりあえず声をかけ、軽く叩いて、或いは軽くゆすって起こしてみましょう。
もし普通に目を覚ませば、睡眠のいびきだったことがわかります。
まったく反応がない場合は脳卒中が疑われますので、すぐに救急車を呼びましょう。

 

脳梗塞・脳出血の症状-頭痛-


脳卒中の中でも頭痛は脳出血の特徴的な初期症状となっています。

FAST

〈 頭痛があるとき 〉
◆ページ下部にある検査“FAST”をチェックして局所の神経症状がないか確認する。
◆血圧を測定して急激な血圧上昇がないか確認する。
◆髄膜刺激症状がないか確認する。
髄膜刺激症状:頭を水平に左右に降ると頭痛がひどくなる
直立した状態で頭を前屈する抵抗や痛みがあり、顎が胸につかない
一つでもおかしい症状があれば、すぐに病院へ急ぎましょう。

 

脳梗塞・脳出血の症状-めまい-


脳幹や小脳と言われる部位に血液を送っている血管が破裂したり詰まったりすると、めまいが生じます。
ふわふわ、ぐらぐらといった浮遊性のめまいが特徴的です。また、脳が原因の場合は、難聴や耳鳴りは伴わないことがほとんどです。

〈 めまいがあるとき 〉
◆血圧を測定して急激な血圧上昇がないか確認する。
◆頭痛、物が二重に見える、声が出せない、立っていられずふらつくといった症状がないか確認する。

おかしい症状があれば、すぐに病院へ急ぎましょう。

 

脳梗塞・脳出血の症状-しびれ-


脳卒中後の痛みとしびれは、後遺症の中でも最も多い症状です。これは、感覚を伝える神経線維や感覚情報を受け取る脳の領域のどこかに何らかの問題があることを表します。
しびれといっても、
「感覚が鈍くなる」と「ジンジン・ピリピリするような異常感覚がある」に分けられます。
特に異常感覚については、ストレスを感じることが多く、耐え難い症状です。

治療には薬の服用が有効とされますが、実際には、完全にしびれが止まることは難しい場合がほとんどです。
とはいえ、痺れは、脊椎疾患や神経絞扼といった整形外科的疾患、糖尿病などの内科的疾患、血液循環障害といった脳以外の原因でも起こる症状ですので、一度診察を受けてみても良いかもしれません。

整形外科的疾患や血液循環障害の場合は症状の程度に変動があるので、
どんなときにしびれが強まるのか、弱まるのかを知っておくと有効な治療に繋がる場合があります。

 

脳梗塞・脳出血の症状-真の後遺症とは-


まずはっきりとさせておかなければならないことは、「損傷を受けて死んでしまった脳細胞は生き返らない」という事実です。近年、リハビリによる脳の回復の可能性がTVで取り上げられていますが、現在の医療ではこの細胞死の事実は変えられません。

では脳卒中を克服した人はいったい何が治っているのでしょうか?
細胞死の話では、病巣の中心にあるような神経細胞は改善が難しいと言わざるを得ません。しかし、それ以外の神経細胞は一時的に活動が弱くなっているだけで、死滅しているわけではありません。

理解を深めるために下図を参考にして下さい。

上下2段に並んだ△は脳内の神経細胞を示しています。上側の△(一次ニューロン)→下側の△(二次ニューロン)に向かって信号が送られていると想定したとき、一次ニューロンが傷害されると二次ニューロンに信号が送られず、機能していない状態(≒神経細胞は一時的に活動が弱くなっている)となっています。図ではその中でも、機能不全のまま(Lesion)、リハビリをすることで再び接続される(Unmasking、sprouting)、再生医療で新たな細胞が二次ニューロンに信号を送る(Transplantation)と分けています。

neurorehab.

右側3つのように、一時的に活動が弱くなっている神経細胞への連絡を最大限強めることで得られる結果が“麻痺が治る”という状態です。

 

脳梗塞・脳出血の前兆-fast-


脳卒中をより早い段階で見つけるのに「FAST」という良い指標を紹介します。
脳卒中の治療は時間との闘いです。早い対処ほど良好な治療経過をたどります。

もし以下の一つでも発見したら迷わず119番に電話して下さい。
発見者の勇気がその人の未来を大きく変えることに繋がるのです。

Face 顔が非対称 片側の頬が下がっていたり、笑顔などに歪みがある
Arm 両腕を挙げたまま保てない
Speech 呂律が回らず普段通り話せない
Time 発見した時刻を確認してすぐに119番

FAST

他にもこんな症状があります。

頭部:前触れなしに強い頭痛、めまいが生じる

目:一側もしくは両側の目に突然問題が生じる

耳:突然理解ができなくなる

顔面:表情のなさ(表情筋の弱さ)

体幹:脱力、弱さ、麻痺が一側の体幹に生じる

治療までの時間が短いほど脳の損傷を最小限に食い止めることができます。

自分の行動が人を救うという意識をもって、迷わず救急車を呼んで下さい。

投稿者:info@astro-jpn.com

脳卒中の障害は実は片麻痺ではない。

脳卒中の後遺症と言えばどんな症状を思い浮かべるでしょう。

脳卒中の代表的な症状を表す言葉に「片麻痺」というものがあります。
まず、片麻痺という言葉の“片”がどこからきているかご存知でしょうか。

一言で言うと、左右の脳が機能的に分離しているから。
右脳は左半身の運動や感覚を支配し、左脳は右半身の運動や感覚を支配しています。右脳が傷害されると左半身に麻痺症状が現れるというように、脳の損傷によって身体の片側に現れる麻痺症状を俗に片麻痺と呼んでいるのです。

錐体路

(上図:https://www.kango-roo.com/sn/k/view/2161より転載)

片麻痺について共通理解ができたところで、タイトルに立ち返りましょう。
「脳卒中の障害が片麻痺ではない」というのはどういうことか。

麻痺が片側にだけ現れると言う人は、ある事実をとり逃しています。
それは、運動に関わる神経には、交差性線維の他に非交差性線維があるという事実です。

noncross fiber

交差性線維(上図の太い矢印)とは
一側の大脳半球(例えば右半球)から出た運動に関わる神経は、脳内を最短コースで下行し、中脳-橋を経て延髄まで到達したときに反対側(左側)に向かってそのまま反対側(左側)の運動に関わる。

非交差性線維(上図の細い矢印)とは
交差性線維と同様に延髄まで下行した線維の一部は、ここで反対側(左側)に向かわずスタートした半球と同側(右側)の運動に関わっているのです。
およそ一側の大脳半球から出た運動に関わる神経の10~15%の線維はこの非交差性線維と言われています。
つまり、一側の大脳半球は身体の両側へ神経線維を送っているのです。

脳卒中の運動障害の本質は随意運動の障害(意のままに身体を動かせないこと)により筋力低下を来していることですが、健側或いは非麻痺側と呼ばれている半身についても、筋力低下という問題をもつと考えるべきです。
実際、麻痺側は健常比で30%、非麻痺側は60~70%程度まで低下すると言われています。
これらのことから、麻痺側は「麻痺の強い側」、非麻痺側は「麻痺の弱い側」と表現すると良いでしょう。

まとめ
・運動に関わる神経には、交差性線維の他に非交差性線維がある
・脳卒中の障害は、身体の半側ではなく身体の両側の障害である

また、一側の大脳半球は身体の両側へ神経線維を送っているということは、麻痺の改善にも希望をもたらします。
これは言い換えれば、たとえ片側の脳が傷害を受けても、反対側の脳が生きてさえいれば身体の機能を補ってくれるということです。
但し、これらの神経を本当の意味で最大限に活かすには、多大なエネルギーを必要とすることは間違いありません。発症直後の自然回復を過ぎた方については、麻痺の強い側の手足を使おうとしなければ絶対に機能回復は見込めません。これまで生きるために使ってきた脳の神経間の繋がりを変化、再構成させようというのですから並大抵の努力ではありません。子供ならば好奇心を起爆剤として、周囲の環境に働きかけることで脳の神経間の繋がりを急速な速度で強めていけます。しかし大人では好奇心を強く刺激する環境が少なく、前向きに努力する以上に悲しみや喪失感が強く、高いモチベーションを保つことが難しいことが多いのです。

解決策としては、
・自分が本当に叶えたいと思うことを目標とすること
・目標に到達するための段階的な課題を設定すること
・動画や数値で記録を残し、日々の変化を追えるようにしておくこと
・効率のみを優先せず、改善させたい手足を動かす機会を逃さないこと

 

皆様のリハビリに少しでもお役に立てれば幸いです。

ありがとうございました。