腕を持ち上げる土台

著者:info@astro-jpn.com

腕を持ち上げる土台

(www.reco.co.jp/fun02.pdfから引用)

 

なぜ腕が持ち上げられないのか?

 

という疑問には、そもそもどのようにして持ち上げているのかを知らなければなりません。

 

腕を挙げる動きは、一見一つの関節の動きによって成り立っているようですが、少なくとも肩甲骨、肩関節の動きが確保され、肩の動きに連動して肩甲骨が上方に回旋してくれる必要があります。(図4)

 

腕はショベルカーのアームのような動きに例えることができます。

操縦席が肩甲骨、アームの根元が肩関節と見たときに操縦席が土台となってどの方向にアームを伸ばすかを決めています。ショベルカーと身体では肩甲骨と肩の運動の自由度は逆転しますが、概ねこんなイメージです。

 

肩甲骨が上方に回旋するというのは、腕の骨の近位端(上腕骨頭といいます)がはまっている肩関節の受け皿が上方を向いてくれることを意味します。

適度な回旋の目安は、肩甲骨の下部で下方に尖がった部分(下角といいます)が、腋の中心から脚に向かって真っすぐ下した垂線まで移動すること。

 

脳卒中の後遺症がある人に「腕を挙げて」とお願いすると、多くの方は、肩をすぼめるように肩甲骨を持ち上げながら何とか腕を挙げようとされます。

肩関節を固定できれば肩甲骨の動きだけで60度は持ち上げれる(図4右)わけですから、これは極々自然な反応だと思います。さらに身体を反対側に傾けてもう少し高く、とされる場合もあるでしょう。

 

もしも、肩甲骨が上ではなく下方回旋したままの場合、上腕骨頭は、関節の受け皿に支えられずにぶらさがった状態となり、肩関節を覆う小さな筋肉群(腱板筋群)に大きな負担を強いることになります(Miharaによる報告)。また腕を持ち上げる時の腱板筋群の筋力発揮には肩甲骨の安定化が必要である(Asano)と報告があります。

 

加えて、肩甲骨の動きに機能障害がある場合には、腕を挙上する時に肩甲骨の下方回旋が確認されることが多く、肩関節の上部において詰まるような感覚を伴って腕の持ち上げが制限されることがあります。ここで言う❝詰まるような運動制限❞では、上腕骨頭と肩甲骨の間で、軟部組織が挟み込まれている可能性があり、過剰に腕の持ち上げ運動を続けると痛みや腫れを引き起こすことがありますので、十分に注意が必要です。

 

肩甲骨が動くこと > 腕が挙がること > 手が挙がること というように根本から動かしていくことがコツになるかもしれません。

 

自身で強化するとすると、四つ這いや正座で肩幅に広げた手を前方に着いて、地面を前上方に向かって押すという方法があります。腕を100度くらい挙げられるのであれば床ではなく壁を押して頂くと良いと思います。

著者について

info@astro-jpn.com administrator

コメントを残す