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脳梗塞・脳出血の原因-高血圧-

高血圧とは


TVで健康番組を見ていると何かと血圧について触れられることがありますが、血圧って何を見ているかご存知ですしょうか?

「血圧」とは、血液が流れるときに血管にかかる圧力のことを言います。
心臓がぎゅっと収縮して血液を送り出すときの血圧(収縮期血圧)を一般に「上の血圧」と呼びます。 反対に、血液が心臓に戻ってきて、心臓がふくらみ次に送り出す血液をためている間の血圧(拡張期血圧)を一般に「下の血圧」と呼んでいます。

そして、上の血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上、または下の血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上の場合が高血圧とわれる状態です。

高血圧は病気になりやすいからダメと表面的にはわかっていても、「高血圧はなぜいけないか」をきちんと知っている人はどれくらいいらっしゃるでしょう。寧ろ当事者ほど気に留めていないということはありませんか?
実際、「血圧が高くても特に変わったところはなく元気に過ごせているから大丈夫。」と思っている人は多いはずです。

実はこれが落とし穴。「症状がない=危険がない」としばしば誤認されています。
心臓の病気も脳の病気は、つい最近まで元気だったのに…という人でも起こりえますし、その結果には必ず原因があると考えるべきです。
つまり、私たちは密かに忍び寄っている魔の手に気づいていないだけなのです。

 

高血圧と動脈硬化


高血圧で問題となるのは、ずばり「動脈硬化」です。
Arteriosclerosis
(左:健常な血管、中:中等度の動脈硬化、右:高度の動脈硬化)

動脈硬化とは、血管が弾力を失って硬くなる状態を言いますが、年齢が高くなるにつれ、血管の内側に生じたコレステロールなどの脂肪沈着によって血管の内腔が狭くなってしまいます。血液の通り道が狭くなると、そこを血液が通り抜ける際の圧は高くなり高血圧の状態になるのです。例えば、蛇口に繋いだホースの先を指でつまんで細くした時に指で感じる水圧をイメージしてもらうと良いかもしれません。

 

高血圧⇒動脈硬化⇒高血圧


高血圧が長く続くと、血液の圧力に耐えるために動脈の血管壁が厚くなり、血液が流れる内腔は狭くなります。また、血管が傷つくと、コレステロールなどの脂質がたまりやすくなり、さらに内腔を狭めることで高血圧が助長されるという悪循環に入ってしまうのです。

こうした動脈硬化と高血圧の影響で、血管にかかる負担が大きくなるために、血管が破れやすくなったり、詰まりやすくなったりすることがあり、脳卒中の原因となると言われています。

事実、脳出血の発症率が高くなることがわかっています。
脳出血の患者さんの46%は高血圧の治療中に、24%は高血圧で治療をしていなかった人から起こっているとの報告結果もあります(日本神経治療学会より)。

 

ストレス⇒高血圧


一般的に過度なストレスは病気に繋がるといったイメージがありますが、
実態がよく分からない分、なにかとストレスが原因と片付けられてしまっていることって多いと感じます。
それは脳卒中も例外ではありません。
このトピックではストレスがどのように脳卒中と関係があるのかを明確にしましょう。

ブレインナーシングVol.32,No.11,2016にこんな記事がありました。
離婚・死別によって脳卒中のリスクが高くなる!?
婚姻状況が健康に大きな影響を与える要因の1つであることが、一般的にも知られています。脳卒中との関連はこれまで不明でしたが、このたび、婚姻状況の変化と脳卒中発症リスクとの関連についての研究結果が日本から報告されました。この報告によると配偶者と離別・死別した人は、婚姻状況に変化のない既婚者に比べ、男女ともに脳卒中発症リスクが26%高く、とくに出血性脳卒中(脳出血やくも膜下出血)の発症リスクは男性で48%、女性で35%高くなる。 また無職の女性が離別・死別した場合、婚姻状況に変化のない有職女性と比べ、脳卒中になるリスクが3倍近く高くなっていました。さらに子どもとの同居は男女ともに配偶者を失うことによる脳卒中発症リスクを増加させる因子となっていますが、一方で親との同居は、配偶者を失うことによる脳卒中発症リスクを、男性では減少させ、女性では増加させる方向にはたらいていました。このような結果となった理由として、配偶者と離別・死別した際の生活習慣の変化や精神的ストレスの影響が考えられています。

考察で精神的ストレスについて触れられていますが、人がストレスを受けたときの行動を想像すると良いです。
過大なストレスを緩和するのに喫煙や飲酒、偏食をするという行動は一般的によく見られます。
喫煙や飲酒、偏食の習慣が慢性化することで、血圧が上昇するということは明らかになっていることから、ストレス⇒脳卒中という直接的な関係より、ストレス⇒生活上の悪習慣⇒血圧上昇⇒脳卒中という流れがあると考えられます。

 

脳卒中の原因-高血圧-を予防する


脳卒中は脳の血管の病気です。血管に負担のかかることを防ぐことで予防効果が望めます。
特に脳卒中の最大の危険因子である高血圧を予防・治療することは非常に大切だと言われています。
・1日30分以上の有酸素運動
・摂取塩分の制限
日本高血圧学会のガイドラインでは1日当たりの塩分(食塩)摂取量の目標を「6g未満」と設定しています  欧米では摂取量を「3.8g」とするガイドラインが示されているようです。