痙縮spastisityって何?
筋肉が素早く引き伸ばされたときに生じる伸張反射が強まることを主体する筋肉が緊張した状態。
平たく言うと、
触れるなどちょっとした刺激でも筋肉が引っ張られたと勘違いして勝手に縮こまってしまう状態。
脳卒中を経験した多くの方が、痙縮に悩んでいる
海外の報告では, 脳卒中の35%以上, 重度の頭部外傷の75%の患者が痙縮の症状があると報告されています.
筋肉が過剰に緊張した状態にあると、どんなことが起こるのでしょうか?
・身体が固まって、自由に動かせなくなる。
・足に症状が出ると、歩けなくなる。
・最悪の場合、痛みが出たり、関節そのものが固まってしまうこともある。
脅かすようですが、中には深刻な事態になる人もいるのです(>_<)
痙縮の原因
例えば、手に麻痺、こわばりがある方が、麻痺した手を使わずにいると痙縮の症状が一層強まってしまう
「動かしにくい」を理由に動かさないでいると、不使用が不使用を生む悪循環に陥ってしまう。
痙縮のある方の特徴に以下の3つがあります。
・意識して動かそうとすればするほど力が入り筋肉を強ばらせて動かし難くなる
・不慣れで困難な動作であればあるほど筋肉が強ばる
・歩行や階段昇降などの不安定な動作時で特に強く強張る
実は、この3つは脊髄・筋肉のコントロールを失っていることと関係があるんです。
痙縮と拘縮の違い
痙縮と間違えやすい状態として、「拘縮」という状態があります。
拘縮とは?
関節を構成する軟部組織(血管や筋組織、神経組織など)が変化し、可動域制限を起こした状態のこと。
つまり身体を動かさないことで組織が線維化して、関節が固まってしまうことを拘縮と呼んでいます。
痙縮と拘縮の見分け方は簡単!
例)肘を曲げる筋肉が痙縮を起こしているとします。
それが痙縮であれば、反対の手の力でゆっくり肘を伸ばせばジワジワと伸びてきます
一方、それが拘縮であれば、同様にゆっくり肘を伸ばしても伸びてきません。
痙縮の治療薬
痙縮に対するリハビリテーションはガイドラインで推奨されているものをご紹介致します。
Ⅰ.痙縮の内服薬
片麻痺の痙縮に対して、ダントロレンナトリウム、チザニジン、バクロフェン、ジア
ゼパム、トルペリゾンの処方を考慮することが勧められる(グレードA)。
Ⅱ.その他の治療薬、治療法
顕著な痙縮に対しては、バクロフェンの髄注が勧められる(グレードB)。
2. 痙縮による関節可動域制限に対し、フェノール、エチルアルコールによる運動
点あるいは神経ブロック(グレードB)およびボツリヌス療法(保険適応外)(グ
レードA)が勧められる。
(グレードA:行うよう強く勧められる グレードB:行うよう勧められる)
※但し、有効だとする報告が数多く上がっているグレードAの方法でも、必ずしも期待する変化を得られるとは限りません。
一定期間試してみて、効果がなければ違う方法を試すという粘り強い姿勢が大切です。
痙縮のリハビリテーション
痙縮筋をしっかり使う、反復して体重を支えるというトレーニングは、筋のこわばりを増悪させることはなく、むしろ随意運動の回復とともに痙縮の改善が期待できる。