■目次
1. 脳出血とは頭の中の血管が破れること
2. 脳が血液に浸かるとどうなるの?
3. 脳内で出血すると何が起こる?
4. まとめ
1. 脳出血とは頭の中の血管が破れること
脳血管疾患というのは、血管が破れるか詰まるかのどちらかです。
あるあるなのは、こんな場面。
空気が冷え切った冬のある日、風呂に入ろうと脱衣所で服を脱いだ時、血管が音を立てて破れる。
!注意!
温度差の大きくなる風呂場や脱衣所は血圧が激しく変動し、脳出血を発症しやすい場所。
トイレでの息こらえも脳出血が起こしやすいので覚えておきましょう
では、頭の中の血管が破れるとどうなってしまうのでしょう?
血管がプツッと破れ、ドクドク血が流れ出てくると、、、
①大域症状:脳が血液に浸かる
②局所症状:脳内で出血して組織を傷める
2. 脳が血液に浸かるとどうなるの?
脳は、水に浮かぶ豆腐(!?)のように頭の骨の中に収まっています。
この水に当たる液体を髄液と呼び、
①脳を衝撃から保護する,②頭の中の圧力を調節するなどの役割があります。
脳を豆腐、髄液を水と置き換えて考えていきましょう。
では、このプールに醤油をかけるところを想像して下さい。
醤油で水が濁ってきて、塩分が豆腐に浸みると豆腐からは水分が出てきますね。
1.髄液内に血液が混ざる
→髄液検査
(血性髄液、キサントクロミー、髄液中赤血球増加、髄液蛋白量増加)
2.脳組織が障害を受けると血中に酵素(タンパク質の一種)が出てくる =逸脱酵素
→血液検査
(GOT増加、白血球増加)
3. 脳内で出血すると何が起こる?
ここでも水に浮かんだ豆腐で考えてみましょう。
脳内で血管が破れて血がドクドク出てくるということは、こんなイメージです。
豆腐の中に、ケーキの絞り袋を突き刺して注入した状態。
(やったことないけど、、、)豆腐は恐らく割れたり、変形したりするはずです。
要するに、異物が中で膨らんでいくことで周りの組織を傷つける訳ですね。
但し、傷害された部位に応じた症状が現れるので、
どこの血管が破れたのか知ることは予後を判断する上でも重要なことなのです。
→CTやMRIという画像検査
(脳血腫像、脳圧排の程度)
(CT画像)
脳内限定!出血が起こり易い場所ランキング + (主な症状)
1被殻出血
(意識障害・昏睡、弛緩性麻痺、共同偏視、失語、失行)
2視床出血
(片麻痺、視野欠損、深部知覚障害)
3皮質下出血
(片麻痺、失語、半盲)
4小脳出血
(嘔吐、めまい、起立・歩行不能)
5橋出血
(昏睡、四肢麻痺、縮瞳)
4. まとめ
A.脳出血は、脳の血管が破れることで血が脳の組織を傷つける
B.髄液検査や血液検査、画像検査などをして、脳が置かれている状態を把握する
C.傷害される場所によって症状や予後は違ってくる
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